プロファイリング-4 香川坂出3人殺害事件-9
【前回までのプロファイリング】
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プロファイリング-4 香川坂出3人殺害事件-4
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プロファイリング-4 香川坂出3人殺害事件-6
プロファイリング-4 香川坂出3人殺害事件-7
プロファイリング-4 香川坂出3人殺害事件-8
■東仙坊のプロファイリング 川崎政則の自供できない犯行動機②
東仙坊が前回書いた「川崎政則の自供できない犯行動機①」は、昨年の2月のことで裏付けされる。
昨年2月、不幸な女は不運も呼ぶのか、ガンの5年以内の再発、しかもU.S.は肺ガンなのである。覚悟はできていたはずなのである。
それなのに、30年暮らした家、家族と一緒を選ばず、あえて無駄な入院をしたのである。
事実、余命何ヶ月を告知され(東仙坊、この告知に実は凄く頭に来ている。長くなりそうなので止めるが、自分を何様だと思っているのか医者は?)、最後の外泊をほのめかされ、夫であるボケナスより姉であるMASAを選んだことが、レズビアン説やボケナスを逆上させ、今回の事件に繋がったなどとマコトシヤカニ言われている。
確かに、この東仙坊もこのやり取りが大きく影響していると「香川坂出3人殺害事件-4」で明言している。
しかしながら、東仙坊が示唆する意味は一般とは明らかに違う。
重要なポイントは、5年前と歴然と違い、U.S.が入院すると同時に、MASAは現場となった娘の近くの借家に引っ越したことである。
つまり、ボケナスから離れ、逃げて行ったのである。
その行為自体がボケナスをほんとうに逆上させ始めたのである。
ようは、末期を姉の新しい家を選んだということは、妻から、暗に【私はみんな知っているのよ。いい加減にして頂戴。みっともない。イイ年して恥ずかしくないの?子どものため、今では孫のためにも黙っててあげるけど…第一、姉さんも嫌がっているのだから】と言うことなのである。
だからこそ、「おまえのせいですべてが滅茶滅茶になった」というボケナスの言葉は、U.S.の【アナタのせいですべてが滅茶滅茶になった】というU.S.の心の声が言わせたということでしかなく、【例え私が死んでも、姉さんの家に追いかけていってはダメよ】とまで念を押されたのである。
と同時に、妹の性格を熟知、利用し、最後まで卑怯にもボケナスとの関係をネタに金を脅し取る姉MASAに対しても、【私が死んでも、一生このことは誰にも口外しないように】と念を押しているのである。
つまり、気丈なU.S.は、最後まで自分の家族の面子を守ろうとしたのである。
そうでなければ、あえて姉の家に行く必要もなく、自分の家に帰るのが嫌なら、実家である両親のところに行くか、ほんとうにお金があったのなら、どこか旅行にでも行ったに決まっている。
ましてや、自分の銀行の預金通帳やキャッシュカードを、そんな姉になんか百人が百人渡したりはしない。自分の子ども、特に孫を生んだ娘に渡すに決まっている。
百歩譲って、仮に姉のMASAを信用したのだとしても、喪主が葬式代を払えないのである。亡くなったのが口座の名義人なのだから、その口座の金で払ってあげるのが筋でもあり、当人の願いでもあったのではないのか?
病院のベッドで、まもなく確実に訪れると言われてしまった死を前にして、その見舞金まで姉にそっと渡している姿があまりにも情けなくなってしまった。
それゆえ、我慢に我慢を重ねていたU.S.でも、ついに堪忍袋の緒が切れたのである。
今まで押さえ込んでいた感情が爆発し、結婚して初めて自分の夫であるボケナスを罵り、夫婦喧嘩が表面化し始めたのである。
また一方、その時点でほとんどボケナスをウザイと感じていたMASAの方も、そんな妹を煽り始めたのである。
ところで、その見舞金がどのくらいあったのか(香典でさえ20万円なのである)?預金がいくら残っていたのか?東仙坊、若干気になってもいる。
どちらにしても、MASAが2人の関係をとっくに妻であるU.S.に暴露していたことの事実自体が、無知蒙昧で女の本性を知らないボケナスにとっては、予想できなかった裏切りであって、許しがたいことだったのである。それも今回の事件発生の間違いなくもう一つの副因となっている。
■東仙坊のプロファイリング 川崎政則の自供できない犯行動機③
“目から鱗”の興味深い話がある。
ヒトはストレスを受けると、「オキシトシン」というホルモンが分泌してきて、男性はそれによって「アンドロゲン」が刺激され、鎮静作用が阻害され、攻撃的になってゆくのだそうだ(これはなんとなくそんなものと思う)。
しかるに、女性は「エストロゲン」が刺激され、鎮静作用が増幅され、やさしくなってゆくのだそうだ(思わず、ウソ!ヘー!)。
もちろん、ボケナスやMASA 、MASAの元夫、MASAの子どもたち、DADなんかには、何のことだか絶対にわからないことだろうが…。
更年期に入りそうな50歳前に、肺ガンを宣告され、摘出手術を受けた女性。そして、抗ガン治療費用毎月6万円を自分で払うためにボロボロになって働いている女性。実の姉と不倫し金を貢ぐ夫とそれをネタに借金を迫ってくる姉のために、初孫にお祝い1つ満足にあげられない女性。
いくらほんとうは性欲の強かったU.S.でも、抗ガン剤などの影響や死への不安もあり、自分を裏切った最低のオトコであるボケナスの要求だけは受けなかったし、ボケナスはボケナスでそれが好都合だったのである。
いったいU.S.は何を考えて死んでゆき?夫によって、なぜか話し合えるようになった姉MASAと今どんな話をしているのか?
ともあれ、ボケナスは、母親の教えに背き、不満だった妻の姉のための借金さえ忘れ、すっかり溺れてしまったMASAへのlust(肉欲)のために、生まれて初めて自分で借金をしたのである。妻のU.S.がMASAのために借りた6枚の他にも、借用証書があるからこそ、ボケナスは余計口惜しくて金の話を前面に押し出し始めたのである。
つまり、せっかくのU.S.の最後の願いも空しく欲望のままに、さらに言うと、ある意図を持つ周りのヒトたちのガセ情報や煽動によって、昨年4月の妻の死後、ますますMASAへの傾斜を深めていったのである。
MASAはMASAで、ほとんど絞りきってしまったレモンのようなボケナスでも、【いまさら、減るもんじゃあるまいし】と小銭欲しさに新しい部屋に呼んだのである。
だからこそ、間取りもよく知っていたし、それこそ鍵の在りかまで知っていたのである。もしかすると、合鍵まで持っていたか、渡されていたのである。
あるいは、巷間言われているように、誰かが…。これは最後にきちんと説明する。
ともあれ、強かなMASAは妹の死によって、妹名義の借金が消滅すること、財産相続が優位になることは知っていた。
しかしながら、なにぶん、MASAはその日の生活に困り過ぎていたし、ボケナスは他にやることがなさ過ぎた。
そして、坂出ならではの明け透けな地域特性が、「あのキモいチビ爺さんマジだぜ」「そこまでさせておいて、それはないよな」「実の姉と関係するなんて奥さんがかわいそう」「あのしょぼい風采でどうやって喜ばせてるんだろう」「あの公衆便所のどこがいいのかしら」「このままじゃ奥さんも浮かばれまい」、それぞれがそれぞれにボケナスを追い込んでいったのである。
すなわち、言いたい放題の周りからの揶揄と中傷がボケナスのテンションを否応なしに高めたのである。
それが、この事件発生の銃に、弾を込めたのである。
ところで、その前に東仙坊どうしても確認してみたいことがある。
MASAは一切保険に入っていなかったのか?
DADは今度の事件でいくらマスコミからせしめたのか?
あの地域の人たちは、なぜあんなに堂々とマスコミの前でためらいもなくいろいろと話すのだろう?
To be continued…


