プロファイリング-2 佐世保乱射事件 馬込政義の犯行動機②
東仙坊、本業と個人的な理由でプロファイリングを怠っていたら、部下たちに「東仙坊の言ってる通りの話がでてきちゃってますよ」と、プレシャーをかけられ、やむを得ずまた徹夜で書き込むことになってしまった。正直辛い。でも、それ以上のこの上ない義憤を覚えている。
この事件も、そんなに複雑で不可解なんかじゃない。
だれもかれもがほんとうは心の底で理解している。
モラルというモラルをアマゾンの森林伐採のように自分たち自身の手で根こそぎ切り倒してしまった社会が、マスコミが、家庭が、自分自身が、こんなAsshole(バカ)を毎日毎日二酸化炭素のように排出しているということを。
無論、東仙坊、社会に責任を転嫁してなどはいない。
ただただ、指摘しているように、「弱きをくじき、強きを助ける」社会になってしまっていることを憂慮しているだけである。
ジングルベルで街中が溢れるこの時だからこそ、「勇気リンリン」、このここちよい響きを心の中でも鳴らし、弱気をくじいてほしいと願うばかりである。
すべては、生きる限り、一人の人間としての自分の責任であることに何も変りはない。
しかるに、アンブローズ・ビアスが「悪魔の辞典」で言うように、「責任とは、神、宿命、運命、運勢、または近所の人の肩へと、たやすく移ってしまう離れやすい負担」なのである。まさに言い得て妙である。
この乱射事件も、オシャブリをくわえたままの未成熟極まりない無責任なアホンダラが、ひとかけら愛も持たない愛に全く無知な単なるクソッタレが、地球上で大多数を占めている人生のLoser(負け犬)の一人が、個の時代にふさわしく一切社会を無視して、まさに独りよがりに起こした、情けない犯罪なのである。
それも37歳の精神的未熟児が、仕事を首になり彼女に振られた腹いせに、ショッピングモールでライフルを乱射し8人を射殺して自殺した20歳男のパクリでしかないのである。
その証左として、このアホンダラも犯行中、終始無言を貫いた。
●このアホンダラの犯行動機
①誰がどう言おうと、断じて屈してはいけない一方的なストーカー殺人でしかなく、これを止められるのは、ほんとうの家族か、真の友だちにしかできない。
個人の人権が明確に保障され、「そんなの関係ない」となにもかもを自分の好きなようにでき、仮に自分の思い通りにならなければ「思い知れ、オマエのせいだと」簡単に殺すことさえできるのである。これは銃の問題なんかではなく、偏に心の問題なのである
Esology(比較行動学)の創始者であるウィーンの動物学者「ローレンツ」は、「文明が発達すればするほど、依存心が強まり、こらえ性が低下し、大人は幼児化する」と言ったうえで、その独自の“インプリンティング(刻印付け)”で、「他人を思いやる利他的遺伝子は遺伝で決定されていて、逆に他人に迷惑をかける利己的遺伝子も同じである」と指摘していた。
怖いので何でも買い与えていたヒトの子どもなのである。
It’s too late. Nobody could accuse his family(もう遅すぎる。だれもアホンダラの家族を責められない)!
いま、ようやくこの国も念願の宗主国と同じ文明社会になれたのである。
ということは、人間の犯罪の原点というべき、『七つの原罪』のうちの、Envy(羨望)、Lust(肉欲)、Pride(傲慢)、Wrath(憤怒)、に起因している以外にない。とりわけ、この手の犯罪は、そうである。それに、この場合、男仲間へのVanity(虚栄心)が色濃く関わっている。
そして、宗主国より最悪な点は、それでもあちらには、まだ神がいる。
こちらは、もともと人間を超越した神がいないうえに、心の芯であった『アメ(天)』までがいなくなってしまったのである。
つまり、天の裁きも、天罰もなくなってしまったのである。
それなら、このアホンダラに射殺されてしまったT.F.V.(Tragic Female Victim、悲劇的女性被害者)とT.M.V.(Tragic Male Victim、悲劇的男性被害者)の2人は何なのかといえば、
不運にもアホンダラの無理心中に巻き込まれただけなのである。
Two of them must be not obviously so fortunate(明らかに2人は不運だった)!
落ち着いて考えてみてほしい。
東仙坊が前回、宗主国における銃犯罪事件の発生を、このアホンダラが事件を起こしたS.C.(スポーツクラブ)に通いだした、今年の8月以降に限定し羅列したことに気づいただろうか?
念のため、この属国である我が国で今年発生した銃犯罪事件も思いつく範囲で列挙してみる。もちろん、プロ同士のケースは除去させてもらう。
4月、長崎市で市長が組員に射殺される。
5月、鹿児島市で金融業者が弟を射殺。愛知県長久手町で元組員にSAT隊員が射殺。
11月、佐賀県武雄市で組員が入院患者を人違いで射殺。
12月、高知県津野町で隣家の女性を射殺。
どこが違うのか?
東仙坊は銃をここでは問題にしてはいない。宗主国の人口は我が国の2倍以上であり、登録されている銃の数だって、我が国の約31万丁に比べて、約2億丁なのである。
あくまで、このアホンダラの人間性そのものに原因があると言っているのである。
自分で働こうともせず、親の金をせびりまくり(なんと公務員の父親の退職金だと恥じを知れ!父親はもっと問題がありそうだが…)、新車やつり船まで買うような、いや、買わせるような環境にいて、人を愛するデリカシーなど芽生えるわけもない。
そして、それだけ暇を持て余している以上、T.F.V.を尾行したのは当然。
そこで、とうとう幸せそうなカップル、男性と同居しているT.F.V.を目撃してしまったのである。
ここに、東仙坊が前回気にかけたように、8月から80日間以上もS.C.に通ったワケがあるに決まっている。T.F.Vにだって、S.C.で働いている以上、当然休日がある。ローテーションやシフトによってまちまちだとは思うが、それを考えれば、平日会員にとって80日間以上はパラノイアの何者でもない。
事実、「報道ステーション」によると、このアホンダラはたびたびT.F.Vをボーっと見つめていたり、T.F.Vが彼氏と一緒にいる所を見ていたとあった。
②東仙坊は職業柄、女性をモデルとして選ぶことが多い。その審美眼と鑑識眼から観ても、写真だけでだが、このT.F.V.には、Glandular(東仙坊が唯一人愛読する我が国の小説家、吉行淳之介の表現を借りると、漿液の匂いのするような)Coquetry(媚態)がある。
それが前回気にかけたように、大恋愛中なのである。そんなQualia(感覚質)を一切所持しないこのアホンダラには、それらの情況はすべて裏目だったとしか言えない。
③では、なぜT.M.Vや友だち(?)の3人を一緒に殺そうとしたのか?
家族はやりきれないだけだろうが、不運にもT.M.Vは、実際に射殺されてしまった。
これは、東仙坊が前回気にかけたように、すべて“メンズ・トーク”が原因である。
ひょんなことから、あるいは言われているように共通の知人を介して、T.F.VがそのS.C.のインストラクターであることを知り、このアホンダラはそこに入会した。
多分、後者に違いない。これも、東仙坊が前回気にかけたように、現在S.C.業界は熾烈な過当競争時代にあり、T.F.V.は勤続5年の誠実な従業員である。
しかも、このアホンダラは一見新車に乗る格好のターゲットにしか見えないのである。
T.F.V.は直接入会を勧誘している。だからこそ、このアホンダラは入会し、だからこそ、40日間もの空白が生まれたのである。
日本中の女性にいろいろな意味で忠告しておく。我が国の男性は「世界第3位の一目惚れしやすい男」なのである。言い方を換えると、実に「思い込みやすい男」なのである。
Almost Japanese guys are supposed to love at first sight(ほとんどの日本男性は一目惚れするのである)!
この37歳で彼女もできない自堕落なアホンダラでさえ、勝手に思い込んだからこそ、自分の気恥ずかしい現況、男としてはもとより人間としての自信のなさから、すぐにS.C.に通うのを逡巡したに決まっている。それこそ、きちんとしてから通おうとさえ考えていた。ここに、またお金の問題を出すオオバカどもは全くヒトの気持を理解していない。
また、この期間に、男友だちが巻き添えを食うことになる副因がある。
もう一度はっきりさせておく。
東仙坊の指摘する“Men’s Talk(メンズ・トーク)”とは、お互いの実態を一切無視した自分本位で猥雑で低劣極まりない話、ちょっとよく言えば、ウブで他愛のない“Girl’s Talk(ガールズ・トーク)”のようなもの(?)。
このアホンダラの、彼らへの恐れ多いバカなプライドからすると、多分一番仲がよさそうだった射殺されたT.M.V.の方から、その様子のおかしさに気づき、
「オマエ好きな女でもできたのか?」
「……ウッ、ウン」
「もうやったのか?」
「……バッ、バカなこと言うな」
「そんなに好きなのか?」
「……」
「告白したのか?」
「…ウウン」
「男ならビシッとぶつかってみろよ。なんとかなるに決まってる」
「……うん」そんなやり取りがあったはずである。
あるいは、もしかすると、8月以降、このアホンダラの方から、
「オレ好きな女ができたんだ」と告白したのか、そうだとしたら余計やばかったかも。
「それはよかったな。美人か?」とT.M.V.は信じる気配も出さずに尋ねる。
「ああ。でも彼氏がいるみたいなんだ?」
「いたってかまわないじゃないか。好きならアタックしちゃえよ」
「えっ」
「なんとかなるさ。思いきって当たってみろよ」
どうあれ、生まれて初めて味わうエモーションの高揚になかなかS.C.に通えなかったこのアホンダラに、本心ではどうでもいい男たちが、けしかけたに決まっている。
だからこそ、8月からの80日間が始まったはずである。
最も拙かったとしか考えられないが、T.F.V.が自分で勧誘したのに通ってこないアホンダラに営業目的で連絡したのか?それをアホンダラが誤解したか?
ここで、気になるのは、T.F.Vの私生活のことである。
いつからいまの彼氏と自宅で同居するようになったのか?
東仙坊は確信する。
T.F.Vは、この不気味なアホンダラにそれとなく恐怖を感じて、いまの彼氏と暮らし始めたのではないのか?安全のために。
それはおそらく近いうちに判明するだろう。
④このアホンダラのT.F.V.に大切な彼氏がいると知ったことでの傷心、その失望感の矛先を、再び自分の無能さを見つめる方に向けず、自分の気持を受け入れなかったT.F.V.と適当に煽った仲間たちに、単なる逆恨みとして向けたのが事件の顛末なのである。
The resentment with prejudices is the most terrible matter in the world(世に最も恐ろしきことは思い込みによる逆恨み)!
ここで、現場にいて幸運にも射殺されなかった男性へのメールを東仙坊が検証する。
彼は自分の結婚式でこのアホンダラに友人代表としてスピーチをさせていた。実際執拗に彼には再三電話をしているので、全く送る意味のないメールである。
それがゆえに、模倣した宗主国の乱射銃撃犯の遺書のようにも見えなくないし、本気で彼を殺害する気なら現場に来ていることを事前確認している上に、あれだけの実弾を身に着けていたのだから射殺していたはずである。
おは。
また、後で電話するばってん、明日の楽な待ち合わせ方法を、
(天国への真っ直ぐな道を)
メールしておきます。
(この微妙な丁寧さが決意を感じさせている)
俺の無料駐車券があるので、
(彼への優位性を誇示している。オマエは助けてやると慈悲を伝えている)
車でそのままルネ
(初めて招待している相手に略称で呼んでいる、彼女への未練がまだある)
の駐車場に入り、適当にとめる。
(彼への信頼程度を表現)
階段か道なりで建物の入り口に入る。
(やはりまだ生への執着が残っている)
すぐフロントなので、俺の名前を言えば、入れる様にしておくから入る。
(やはりオマエは助けてやると居丈高に恩を着せている)
奥に歩いて行くと、スカッシュコートの横に階段があるので、1F分登る。
(どうやら彼は観客らしい。面白いことが待っていると期待させている)
もう一つ上は、テニスコートなので違う。
(シツコイほどオマエはギリギリのところで許してやると慈悲を与えている)
正面にプールの見える椅子がいっぱいあるので、楽にして待つ。
(単にオマエにこれから始まるサプライズの特等席を用意してやっているとは伝わってこない。あれほど慈悲を与えてやると言いながら、イザとなったらわからないぞと脅してもいる)
以上。
文章は長いけれど、中身は少ないので、落ち着いて読んでね。
(突然のタッチの変更は陥れていることへの多少の後ろめたさと若干の自分の人生への自嘲がのぞいている)

この事件も、そんなに複雑で不可解なんかじゃない。
だれもかれもがほんとうは心の底で理解している。
モラルというモラルをアマゾンの森林伐採のように自分たち自身の手で根こそぎ切り倒してしまった社会が、マスコミが、家庭が、自分自身が、こんなAsshole(バカ)を毎日毎日二酸化炭素のように排出しているということを。
無論、東仙坊、社会に責任を転嫁してなどはいない。
ただただ、指摘しているように、「弱きをくじき、強きを助ける」社会になってしまっていることを憂慮しているだけである。
ジングルベルで街中が溢れるこの時だからこそ、「勇気リンリン」、このここちよい響きを心の中でも鳴らし、弱気をくじいてほしいと願うばかりである。
すべては、生きる限り、一人の人間としての自分の責任であることに何も変りはない。
しかるに、アンブローズ・ビアスが「悪魔の辞典」で言うように、「責任とは、神、宿命、運命、運勢、または近所の人の肩へと、たやすく移ってしまう離れやすい負担」なのである。まさに言い得て妙である。
この乱射事件も、オシャブリをくわえたままの未成熟極まりない無責任なアホンダラが、ひとかけら愛も持たない愛に全く無知な単なるクソッタレが、地球上で大多数を占めている人生のLoser(負け犬)の一人が、個の時代にふさわしく一切社会を無視して、まさに独りよがりに起こした、情けない犯罪なのである。
それも37歳の精神的未熟児が、仕事を首になり彼女に振られた腹いせに、ショッピングモールでライフルを乱射し8人を射殺して自殺した20歳男のパクリでしかないのである。
I am sorry for everything. I don’t want be a burden to anybody. I love my family. I love all of my friends. I want to be famous.(ゴメン、なにもかも。誰のお荷物にもなりたくない。家族を愛してる。友だち全部を愛してる。有名になりたい)。
その証左として、このアホンダラも犯行中、終始無言を貫いた。
●このアホンダラの犯行動機
①誰がどう言おうと、断じて屈してはいけない一方的なストーカー殺人でしかなく、これを止められるのは、ほんとうの家族か、真の友だちにしかできない。
個人の人権が明確に保障され、「そんなの関係ない」となにもかもを自分の好きなようにでき、仮に自分の思い通りにならなければ「思い知れ、オマエのせいだと」簡単に殺すことさえできるのである。これは銃の問題なんかではなく、偏に心の問題なのである
Esology(比較行動学)の創始者であるウィーンの動物学者「ローレンツ」は、「文明が発達すればするほど、依存心が強まり、こらえ性が低下し、大人は幼児化する」と言ったうえで、その独自の“インプリンティング(刻印付け)”で、「他人を思いやる利他的遺伝子は遺伝で決定されていて、逆に他人に迷惑をかける利己的遺伝子も同じである」と指摘していた。
怖いので何でも買い与えていたヒトの子どもなのである。
It’s too late. Nobody could accuse his family(もう遅すぎる。だれもアホンダラの家族を責められない)!
いま、ようやくこの国も念願の宗主国と同じ文明社会になれたのである。
ということは、人間の犯罪の原点というべき、『七つの原罪』のうちの、Envy(羨望)、Lust(肉欲)、Pride(傲慢)、Wrath(憤怒)、に起因している以外にない。とりわけ、この手の犯罪は、そうである。それに、この場合、男仲間へのVanity(虚栄心)が色濃く関わっている。
そして、宗主国より最悪な点は、それでもあちらには、まだ神がいる。
こちらは、もともと人間を超越した神がいないうえに、心の芯であった『アメ(天)』までがいなくなってしまったのである。
つまり、天の裁きも、天罰もなくなってしまったのである。
それなら、このアホンダラに射殺されてしまったT.F.V.(Tragic Female Victim、悲劇的女性被害者)とT.M.V.(Tragic Male Victim、悲劇的男性被害者)の2人は何なのかといえば、
不運にもアホンダラの無理心中に巻き込まれただけなのである。
Two of them must be not obviously so fortunate(明らかに2人は不運だった)!
落ち着いて考えてみてほしい。
東仙坊が前回、宗主国における銃犯罪事件の発生を、このアホンダラが事件を起こしたS.C.(スポーツクラブ)に通いだした、今年の8月以降に限定し羅列したことに気づいただろうか?
念のため、この属国である我が国で今年発生した銃犯罪事件も思いつく範囲で列挙してみる。もちろん、プロ同士のケースは除去させてもらう。
4月、長崎市で市長が組員に射殺される。
5月、鹿児島市で金融業者が弟を射殺。愛知県長久手町で元組員にSAT隊員が射殺。
11月、佐賀県武雄市で組員が入院患者を人違いで射殺。
12月、高知県津野町で隣家の女性を射殺。
どこが違うのか?
東仙坊は銃をここでは問題にしてはいない。宗主国の人口は我が国の2倍以上であり、登録されている銃の数だって、我が国の約31万丁に比べて、約2億丁なのである。
あくまで、このアホンダラの人間性そのものに原因があると言っているのである。
自分で働こうともせず、親の金をせびりまくり(なんと公務員の父親の退職金だと恥じを知れ!父親はもっと問題がありそうだが…)、新車やつり船まで買うような、いや、買わせるような環境にいて、人を愛するデリカシーなど芽生えるわけもない。
そして、それだけ暇を持て余している以上、T.F.V.を尾行したのは当然。
そこで、とうとう幸せそうなカップル、男性と同居しているT.F.V.を目撃してしまったのである。
ここに、東仙坊が前回気にかけたように、8月から80日間以上もS.C.に通ったワケがあるに決まっている。T.F.Vにだって、S.C.で働いている以上、当然休日がある。ローテーションやシフトによってまちまちだとは思うが、それを考えれば、平日会員にとって80日間以上はパラノイアの何者でもない。
事実、「報道ステーション」によると、このアホンダラはたびたびT.F.Vをボーっと見つめていたり、T.F.Vが彼氏と一緒にいる所を見ていたとあった。
②東仙坊は職業柄、女性をモデルとして選ぶことが多い。その審美眼と鑑識眼から観ても、写真だけでだが、このT.F.V.には、Glandular(東仙坊が唯一人愛読する我が国の小説家、吉行淳之介の表現を借りると、漿液の匂いのするような)Coquetry(媚態)がある。
それが前回気にかけたように、大恋愛中なのである。そんなQualia(感覚質)を一切所持しないこのアホンダラには、それらの情況はすべて裏目だったとしか言えない。
③では、なぜT.M.Vや友だち(?)の3人を一緒に殺そうとしたのか?
家族はやりきれないだけだろうが、不運にもT.M.Vは、実際に射殺されてしまった。
これは、東仙坊が前回気にかけたように、すべて“メンズ・トーク”が原因である。
ひょんなことから、あるいは言われているように共通の知人を介して、T.F.VがそのS.C.のインストラクターであることを知り、このアホンダラはそこに入会した。
多分、後者に違いない。これも、東仙坊が前回気にかけたように、現在S.C.業界は熾烈な過当競争時代にあり、T.F.V.は勤続5年の誠実な従業員である。
しかも、このアホンダラは一見新車に乗る格好のターゲットにしか見えないのである。
T.F.V.は直接入会を勧誘している。だからこそ、このアホンダラは入会し、だからこそ、40日間もの空白が生まれたのである。
日本中の女性にいろいろな意味で忠告しておく。我が国の男性は「世界第3位の一目惚れしやすい男」なのである。言い方を換えると、実に「思い込みやすい男」なのである。
Almost Japanese guys are supposed to love at first sight(ほとんどの日本男性は一目惚れするのである)!
この37歳で彼女もできない自堕落なアホンダラでさえ、勝手に思い込んだからこそ、自分の気恥ずかしい現況、男としてはもとより人間としての自信のなさから、すぐにS.C.に通うのを逡巡したに決まっている。それこそ、きちんとしてから通おうとさえ考えていた。ここに、またお金の問題を出すオオバカどもは全くヒトの気持を理解していない。
また、この期間に、男友だちが巻き添えを食うことになる副因がある。
もう一度はっきりさせておく。
東仙坊の指摘する“Men’s Talk(メンズ・トーク)”とは、お互いの実態を一切無視した自分本位で猥雑で低劣極まりない話、ちょっとよく言えば、ウブで他愛のない“Girl’s Talk(ガールズ・トーク)”のようなもの(?)。
このアホンダラの、彼らへの恐れ多いバカなプライドからすると、多分一番仲がよさそうだった射殺されたT.M.V.の方から、その様子のおかしさに気づき、
「オマエ好きな女でもできたのか?」
「……ウッ、ウン」
「もうやったのか?」
「……バッ、バカなこと言うな」
「そんなに好きなのか?」
「……」
「告白したのか?」
「…ウウン」
「男ならビシッとぶつかってみろよ。なんとかなるに決まってる」
「……うん」そんなやり取りがあったはずである。
あるいは、もしかすると、8月以降、このアホンダラの方から、
「オレ好きな女ができたんだ」と告白したのか、そうだとしたら余計やばかったかも。
「それはよかったな。美人か?」とT.M.V.は信じる気配も出さずに尋ねる。
「ああ。でも彼氏がいるみたいなんだ?」
「いたってかまわないじゃないか。好きならアタックしちゃえよ」
「えっ」
「なんとかなるさ。思いきって当たってみろよ」
どうあれ、生まれて初めて味わうエモーションの高揚になかなかS.C.に通えなかったこのアホンダラに、本心ではどうでもいい男たちが、けしかけたに決まっている。
だからこそ、8月からの80日間が始まったはずである。
最も拙かったとしか考えられないが、T.F.V.が自分で勧誘したのに通ってこないアホンダラに営業目的で連絡したのか?それをアホンダラが誤解したか?
ここで、気になるのは、T.F.Vの私生活のことである。
いつからいまの彼氏と自宅で同居するようになったのか?
東仙坊は確信する。
T.F.Vは、この不気味なアホンダラにそれとなく恐怖を感じて、いまの彼氏と暮らし始めたのではないのか?安全のために。
それはおそらく近いうちに判明するだろう。
④このアホンダラのT.F.V.に大切な彼氏がいると知ったことでの傷心、その失望感の矛先を、再び自分の無能さを見つめる方に向けず、自分の気持を受け入れなかったT.F.V.と適当に煽った仲間たちに、単なる逆恨みとして向けたのが事件の顛末なのである。
The resentment with prejudices is the most terrible matter in the world(世に最も恐ろしきことは思い込みによる逆恨み)!
ここで、現場にいて幸運にも射殺されなかった男性へのメールを東仙坊が検証する。
彼は自分の結婚式でこのアホンダラに友人代表としてスピーチをさせていた。実際執拗に彼には再三電話をしているので、全く送る意味のないメールである。
それがゆえに、模倣した宗主国の乱射銃撃犯の遺書のようにも見えなくないし、本気で彼を殺害する気なら現場に来ていることを事前確認している上に、あれだけの実弾を身に着けていたのだから射殺していたはずである。
おは。
また、後で電話するばってん、明日の楽な待ち合わせ方法を、
(天国への真っ直ぐな道を)
メールしておきます。
(この微妙な丁寧さが決意を感じさせている)
俺の無料駐車券があるので、
(彼への優位性を誇示している。オマエは助けてやると慈悲を伝えている)
車でそのままルネ
(初めて招待している相手に略称で呼んでいる、彼女への未練がまだある)
の駐車場に入り、適当にとめる。
(彼への信頼程度を表現)
階段か道なりで建物の入り口に入る。
(やはりまだ生への執着が残っている)
すぐフロントなので、俺の名前を言えば、入れる様にしておくから入る。
(やはりオマエは助けてやると居丈高に恩を着せている)
奥に歩いて行くと、スカッシュコートの横に階段があるので、1F分登る。
(どうやら彼は観客らしい。面白いことが待っていると期待させている)
もう一つ上は、テニスコートなので違う。
(シツコイほどオマエはギリギリのところで許してやると慈悲を与えている)
正面にプールの見える椅子がいっぱいあるので、楽にして待つ。
(単にオマエにこれから始まるサプライズの特等席を用意してやっているとは伝わってこない。あれほど慈悲を与えてやると言いながら、イザとなったらわからないぞと脅してもいる)
以上。
文章は長いけれど、中身は少ないので、落ち着いて読んでね。
(突然のタッチの変更は陥れていることへの多少の後ろめたさと若干の自分の人生への自嘲がのぞいている)


